海外国債とは
日本だけでなく、外国でも国債は発行されています。
アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの国債が有名ですが、おもしろいところでは、カナダの「ケベック州債」というようなものもあります。州がそれなりの権限を持っていることのあらわれなのでしょうか。

これらのような海外国債は、外国債券の一種です。
外国債券とは、次の3つのいずれかに該当する債券のことをいいます。
(1) 発行元が国際機関や外国の政府、企業
(2) 購入代金の払い込み、利子および償還金の受け取りが外貨で行われる
(3) 発行される場所が外国
このうち、外国の政府が発行する債券が海外国債です。
海外債権の魅力のひとつには、金利の高さが挙げられます。
例えば、オーストラリア国債では、残存期間が3年4か月あるもので、利率が4.875%というものがあります。日本の個人向け国債で5年金利固定の利率が0.51 % と比べると、その金利の高さがよく分かりますね。
海外国債は、債権のしくみにおいて、日本の国債と同じですが、海外国債を発行する国の債務不履行リスクや為替相場の影響を受けます。
ここで、債務不履行リスクとは、債権を発行する発行元(海外国債の場合には、各国の政府になります)が、元本や利息を支払うことができなくなるリスクを意味します。
過去にはアルゼンチンの発行していた国債が、2001年に事実上の債務不履行に、最近ではサブプライムショックで、アイスランドが債務不履行に陥っています。
海外国債の種類
海外国債には、円建て債権と外貨建て債権とがあります。
円建て債権とは、債権の購入代金の支払いや、利子および償還金の受け取りといった取引がすべて日本円で行われるものです。
一方、外貨建て債権とは、上述の債権の取引がすべて外貨で行われるものです。
また、二重通貨債権(デュアルカレンシー債権)といって、上述の債権の取引を日本円および外貨の二種類で行うものもあります。
海外国債の取引に関係する税金
海外国債の取引をする場合、外貨建てで行うために海外の銀行に口座を開設するとしますと、得られた利息分については利子所得として総合課税の対象になります。
仮に、年利が1%の海外の銀行の口座に100万円を預けて取引を行い、1年間で1万円の利息を受け取ったとすると、この1万円の利子所得を雑所得として確定申告する必要があります。
ただし、年収が2000万円以下である場合は、雑所得の金額が20万円以下であれば、申告は免除されるようになっています。また、 専業主婦や無職の人の場合で、利息分が年間38万円の基礎控除額以下であれば、申告をする必要はありません。

海外国債もそうなり得ますが、海外の金融機関で保有している株式、債券による配当も、利子所得と同様に配当所得として申告納税の対象となります。
国内の株式取引による配当を総合課税として申告する場合には、一定の配当控除が認められますが、この特例は、海外の金融機関を利用した場合は適用されません。
ただ、海外の金融機関を介した取引による配当に課税された場合は、一定の範囲内で外国税額控除の適用を受けることが可能です。
海外国債などの債券の売却益そのものには課税されません。
また、海外国債を外貨建てで行っている場合の為替による損益は、雑所得として扱われます。
海外国債への投資リスクを減らす方法
一般に、債権について、債務不履行が発生した場合や債務不履行が大きな確率で予期される場合、または債権の格付けが引き下げられた場合には、当該発行元の発行した債券の価格は下落します。
つまり、債権の価値が低下するわけです。
ここで、債務不履行リスクとは、債券の発行元が財政難や経営不振などによって利息や償還金を予め決められた条件で支払うことができなくなるリスクのことです。格付けが高いということは、それだけ債権の信用力も高くなると考えられます。
国債の格付けの比較的高い国、たとえば先進主要6カ国 (アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、フランス、カナダ) の発行する国債の利率は 2%程度です。

これに対して例えば、いわゆる新興国と呼ばれるブラジルの国債は、利回りが14%以上、メキシコの国債は8%以上、南アフリカの国債は9%以上の高利回りとなっています。
これらのいわゆる新興国の発行する国債については、利回りが大きいことは魅力的なのですが、よくニュースでも登場するように国内情勢が不安定であり、過去のアルゼンチンでもそうでしたが、債務不履行リスクが高くなっています。
そこで、比較的信用のある先進国の国債を中心にいわゆる新興国の国債を含めて幅広く分散させて投資するということが行われます。
こうすれば、いわゆる新興国の国債の価格が下落したとしても、大きなダメージを被ることは回避することができます。
海外国債を取り扱うファンドは、債務不履行リスクを分散・抑制することで、海外国債という金融商品を魅力あるものにしようと試みています。
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